未だに信じられない柳ジョージさんの死去。まだ63歳という若さででこの世を去ってしまうとは寂しすぎる。あの独特な愛愁を帯びたハスキーボイスを生で聴けないのかと思うと涙が込み上げてくる・・・。
15年ぐらい前のこと・・・。大好きだった柳ジョージさんボクが当時勤めていたレコード会社に移籍することになった。憧れの柳ジョージ、当然宣伝担当になりたくていち早く手を挙げ、数か月の間、憧れの柳ジョージさんと仕事をすることになる。
当時の柳ジョージさんは、「アサヒスーパードライ」のCMソングを歌いまだまだ人気もあったにも関わらず、なかなかCDの売上が伸びなかった時代。柳ジョージさんのようなアダルトなアーティストの出演出来る歌番組は限られていて、日テレの「夜もヒッパレ」などの、今までには出演したことにないバラエティー色の強い番組にも無理を言いながらも出演していただいたことがあった。
ビール好きな柳さんは、当時もリハーサルの時にもビールを欠かさず飲んでいた。「アサヒスーパードライ」のCM曲を歌っているので、当然スーパードライなのかと思うのだが、柳さんが好んで飲んでいたのはキリンビール。ビール好きはキリンといいいますが、柳さんも大のビール好きでしたねー。
新曲のキャンペーンで大阪・名古屋・松山と同行させていただいたことが、今ではとてもいい思い出として残っています。特に3日間のキャンペーンの最終日、松山での出来事は忘れられない。仕事が終わって一緒に食事をして、もう一軒飲みに行こうということに・・・。入ったのは偶然だが美人ママがいる地元松山のスナック。
飲み初めて1時間あまりが経ち酔いが回り始めた頃、隣に座っている柳さんに「柳さんの歌で一番好きな歌を歌っていいですか?」と・・・訪ねるボク。一応OKを貰い、事も有ろうに本人の前で、大好きな「コイン・ランドリィ・ブルース」を歌ってしまったのです。
きっと緊張したのでしょう、上手く歌えなかったのは予想通りの展開。本人の前で歌うとは世間知らずというか、恥知らずというか・・・。まったく困ったレコード会社の宣伝担当者。可笑しかったのは柳さんのリアクション。自分の歌を、隣にいる人が歌ったわけですから、何だかのリアクションを期待していたのですが、何もないんです。それもそのはず、柳さんは初めて入った松山のスナックの美人ママに一目ぼれ。その時にはすでに口説きモードに入ってしまっていて、自分の歌を誰が歌おうと関係なかったのです。こんなエピソードからも分かるように、一見強面に見えるのですが、とてもシャイでオチャメな部分も持ち合わせていた柳さんでした。
ボクがレコード会社を辞めてから、柳さんに会ったのは一度だけ。久しぶりに行われたライブ会場に顔を出したのが、今思えば最後だったのかも知れません。あの時に一緒に写真でも撮っておけば良かったのに・・・と悔やんでいます。
63歳という若さで亡くなってしまった柳ジョージさん。誰も真似することが出来ないあの愛愁を帯びた独特なハスキーボイスは、きっといつまでも忘れることはないでしょう。
柳ジョージさんのご冥福をお祈り致します。